空手には多くの流派、団体が存在しますが、次のオリンピック東京大会で初めて採用される競技「空手」は、世界空手連盟(WKF)が主導する内容でおこなわれるものになります。WKFは、前身である世界空手連合(WUKO)の時代から国際オリンピック委員会(IOC)に加盟を申請し、長年空手をオリンピック競技にすべく活動してきた団体です。彼らの努力がついに報われ、空手発祥の地、この日本で初めて空手がオリンピック競技として行われることになったというわけです。
オリンピック競技「空手」のルールとレギュレーション
オリンピック競技となった空手には、2つの競技があります。1つは「形」。これは1対1の勝負で、トーナメントという形式を取るものの、実質は1人で演武を行い、その優劣を競うものです。優劣の判定は、5人の審判に委ねられます。形の種類はWKFが定めたものの中から選ぶ必要があり、トーナメントで同じ形を2度使ってはいけないという決まりがあります。そのため、トーナメントを勝ち上がるには、どの段階で得意の形を使うかという戦略も必要になってくる競技です。
もう1つは「組手」。こちらはおそらく多くの人が想像する空手で、1対1で選手が戦うというものです。8m四方の競技場で「突き」、「蹴り」、「打ち」という3種類の技を繰り出し、相手の特定の部位にその技を「適切にコントロールされた状態で」入れることで、ポイントが入ります。ポイントは、2人の審判が共に認める必要があり、競技時間の3分の間に8ポイント差をつけるか、時間終了時にポイントの多い方が勝者となります。
「形」は男女2種目、「組手」は男女3階級ずつの計6種目で争われます。
オリンピックでの注目日本人選手
まず「形」ですが、こちらは男女ともに日本人選手が世界のトップを走っています。男子では全日本空手道選手権大会8連覇中の喜友名諒。彼は世界空手道選手権大会でも3度優勝しています。女子はこちらも全日本選手権大会7連覇中の清水希容。彼女も世界空手道選手権大会で2度優勝しています。
そして「組手」ですが、こちらは「形」と違い群雄割拠。誰が金メダルを取ってもおかしくない状況です。そんな中で日本人でもっとも存在感を放っているのが、男子75㎏級の荒賀龍太郎です。「スピードドラゴン」というニックネーム通り、そのスピードを活かした戦いを得意とし、日本の75㎏級ではトップに位置する選手です。