アクション映画はハリウッド作品の花形です。燃えよドラゴン、007、ターミネーター、ダイ・ハード、ランボー等のクラシックな作品から、アイアンマン、バットマン等のアメコミ系、そして、ジェイソン・ボーンシリーズ、トランスポーター、バイオハザード等々、枚挙に暇がありません。そして、アクション映画に絶対に欠かせないのが「格闘技」です。派手な銃撃戦を主体とするアクション作品も多数ありますが、ほとんどの作品に素手で戦うシーンが登場するのではないでしょうか。そこで今回は、そんな格闘技とハリウッド映画の関係を探っていこうと思います。
最強のハリウッド俳優
ハリウッドには格闘技を武器にスターになった俳優が多く存在します。以下に新旧の「格闘技名優」を紹介していきます。
ブルース・リー
元祖格闘技俳優といっても過言ではないブルース・リーは、中国武術で己を鍛え上げ、道場を経営していました。その後、俳優等に武術を指導する傍ら、テレビや映画に出演するようになりました。香港・ハリウッド合作の「燃えよドラゴン」で一躍有名になり、米国のテレビ作品にも出演しています。
ジャン・クロード・ヴァンダム
言わずと知れた格闘技俳優のレジェンドです。俳優になる前は空手とキックボクシングに打ち込み、全欧プロ空手選手権ミドル級王者に輝いたこともあります。主な出演作品はタイムコップ、ストリートファイター、ユニバーサル・ソルジャー等です。
ジェット・リー
中国伝統武術の太極拳の達人であるジェット・リーは、ハリウッド映画に欠かせない本格派格闘技俳優です。主な出演作品は、キス・オブ・ザ・ドラゴン、ブラック・ダイアモンド、エクスペンダブルズ等です。
スティーブン・セーガル
日本の武術に造詣が深いスティーブン・セーガルは合気道七段の有段者です。「沈黙」シリーズで知られています。
ジェイソン・ステイサム
元水球選手であり、格闘技とは縁のなかったジェイソン・ステイサムでしたが、「ザ・ワン」でのジェット・リーとの共演でその才能が開花し、「トランスポーター」、「メカニック」等のアクション映画で主演を務めました 。
格闘技の種類
ハリウッド映画の格闘シーンでは様々な格闘技が採用されています。そのうち、特に近年のハリウッド作品で採用されている格闘術を紹介します。
ディフェンスラボ
バットマン、ジャック・リーチャー、ミッション・インポッシブル3で採用された比較的新しい格闘技です。イギリス人の武術家のアンディー・ノーマン氏が考案した護身術で、リング上の戦いよりもストリートでの現実的な戦いを想定しています。
クラヴマガ
イスラエル生まれの格闘技「クラヴマガ」は生き残るための近接格闘術で、CIA、FBI、そして、世界中の軍隊で採用されています。ハリウッド作品ではマット・デイモン主演の「ジェイソン・ボーン」シリーズでも登場します。武器を持った相手や複数の相手との闘いを想定したトレーニングが行われるようです。
プンチャック・シラット
インドネシアの伝統武術です。ベン・アフレック主演の「ザ・コンサルタント」で採用されています。無駄な動きがなく、派手さはありませんが、効率よく相手を倒していきます。冷静なクリスチャンにぴったりの武術です。
傾向
上の3つの格闘技に代表されるように、近年のハリウッド映画では、ド派手な格闘シーンよりも、リアルな格闘シーンが好まれる傾向があるようです。ジャッキー・チェンやジェット・リー等の東洋の武術から、護身術を主体とした総合格闘技系のシーンへの転換期にあるのかもしれません。
実際に相手を殴打するだけでなく、相手の関節をきめるシーンや締め上げるシーンも増えています。今後アクション映画を見るときは、使われている格闘技やスタイルに注目すると面白いかもしれません。