こと日本においては、テコンドーはまだまだマイナーな競技ですが、世界的には競技人口8000万人を越えるといわれる人気競技です。そのことはオリンピックでメダルを取った選手の出身国が、非常に多様なことからでも窺い知れます。金メダリストだけを取り上げても、イランや、キューバ、セルビア、アゼルバイジャンなど非常に広範な国の選手がその名を連ねているのです。
テコンドーのルール
ではここでテコンドーのルールを簡単に説明していきましょう。テコンドーは1対1でおこなう個人競技で、武道、格闘技の1種として取り上げられることもあります。ノックダウンもありますが、オリンピックルールでは頭部にも防具をしているためポイントで決まることが殆どで、そのポイントは当てた場所や技の内容で変わります。また蹴りに重きを置いた競技のため、蹴りのポイントが高いうえ、頭部へのパンチは反則です。一度ポイントについてまとめましょう。
- 1ポイント:胴体部へのパンチ(ただしフックやアッパーのような軌道が弧を描く打突については得点にならない。ワンツーも無効。)、または相手の反則
- 2ポイント:胴体部への蹴り(膝蹴りは反則。)
- 3ポイント:頭部への蹴り
- 4ポイント:胴体部への回転蹴り
- 5ポイント:頭部への回転蹴り
テコンドーは、1ラウンド2分の試合を3ラウンドおこない勝敗を決します。オリンピックでは、男女それぞれ4階級に分かれて競技をおこないます。
オリンピックにおけるテコンドーの歴史
テコンドーがオリンピックに初めて登場したのは、テコンドーの本場、韓国で行われた1988年ソウル大会からです。そのときは公開競技でしたが、2000年シドニー大会から正式競技として採用されました。実は2012年ロンドン大会までは、特定の国(もちろん本場韓国を想定)によるメダル独占を回避するために、1ヶ国につき男女2階級ずつという出場制限がありましたが、現在はランキングポイントによって出場権を獲得した選手については、その制限に含まれないようになっています。
オリンピックを連覇した名選手
最後に過去にオリンピックを連覇したことのある2人の名選手を紹介しましょう。男子ではまだそのような選手は登場しておらず、2人の女子選手だけがそれを成し遂げています。1人目は49kg級のゴ・セイギョク(中国)選手で北京、ロンドン大会を連覇。2人目は57kg級のジェド・ジョーンズ(英国)選手で、ロンドン、リオデジャネイロ大会を連覇しています。ジョーンズ選手には、延期となってしまった東京大会での3連覇が期待されています。