全日本テコンドー協会は、2020東京オリンピックの延期が正式に決定したことを受けて、すでに代表内定が決まっていた4選手に対し、延期後のオリンピック代表も保証する旨を速やかに発表しました。これにより、2月9日の代表選考会で選ばれていた4人の代表選手は、安心してオリンピックに向かって調整を進めることになったのです。
そんな彼らの雄姿が見られるのは少し先になってしまいますが、来たるオリンピックへの期待を込めて、この選ばれた4選手をここで詳しく紹介していきたいと思います。
濱田真由
3大会連続でオリンピック代表に選ばれることになった、日本テコンドー界を代表する選手が濱田真由です。階級は女子57㎏級となります。小学校1年生のときに兄の影響でテコンドーを始めた彼女は、2010年世界ジュニア選手権女子49㎏級で銅メダルに輝きます。
その勢いのまま、日本テコンドー史上最年少となる弱冠17歳の若さでロンドン大会の代表に選ばれた彼女は、同大会で5位入賞を果たすことになるのです。リオデジャネイロ大会は残念ながら入賞を逃しましたが、捲土重来を期し、東京大会でのメダル獲得を彼女は目指しています。
山田美諭
女子49㎏級で、今回初めてオリンピック代表に選ばれたのが山田美諭です。父親が空手の道場を営んでいたため幼少期から空手を行っていた彼女は、体が小さかったため階級別で戦えるテコンドーへの転向を試みます。それが功を奏し、中学時代に全日本ジュニア選手権で優勝することになります。
このように順調に進んだ彼女のテコンドー選手としてのキャリアでしたが、リオ大会の選考会で右膝靭帯損傷を負い敗退。それでも不屈の闘志で蘇り、怪我の治った2017年からの全日本選手権を3連覇。2018年アジア競技大会でも銅メダルを獲得し、代表選考会で念願のオリンピック代表の座を獲得したのです。
鈴木セルヒオ&リカルド
今回男子の代表2人は、兄弟で選ばれることになりました。兄のセルヒオが男子58㎏級、弟のリカルドが男子68㎏級の代表となります。彼らは日本人の父とボリビア人の母を持ち、セルヒオは日本生まれですが、その後家族はボリビアに移住し、そこでリカルドが生まれました。2人がテコンドーに出合ったのも、そのボリビアです。
その後セルヒオは本場韓国の高校で修業し、大学は日本の大東文化大学へと進学。リカルドは高校でボリビアチャンピオンに輝いたのち、兄の後を追うように同じく大東文化大学へと進学します。そして代表選考会で見事兄弟同時優勝を果たし、オリンピックへの道を切り開いたのです。